杉並区内に在住・在勤のマンション管理士の団体です
 

平成22年2月20日 マンション管理セミナー
「2つの老い」に備える~高齢化マンションの模擬理事会~

いま多くのマンションが、建物や設備の老朽化と住民の高齢化という「2つの老い」に直面しようとしています。快適な居住環境を確保して行くためには、どのような対策が必要なのか。
杉並マンション管理士会の会員が高齢化マンションの理事会のメンバー役を演じた模擬理事会を通して、分かりやすくお伝えしました。

 

「2つの老い」の現状

築30年を超えるマンションは、10年以内に全国で100万戸を超えると言われています。
東京都の調査によると、平成20年、築40年以上の都内のマンションは5万4000戸、全体の4%でしたが、平成30年には4.5倍、24万5000戸に増えると見込まれています。
一方、マンションの世帯主の高齢化は年々進み、平成11年度に25.7%だった60歳代以上の割合は、平成20年度には39.4%となっています(国土交通省 平成20年度マンション総合調査)。





「建物・設備の老朽化」にどう対処する

築30年を超えるマンションの大規模修繕工事の場合、外壁、防水、ガス管、給水管、給湯管、排水管の交換、エレベーターの交換などが予想されますが、同時に大切なのがバリアフリー化です。
階段への手すりの設置やエントランスへのスロープの設置、共用廊下の段差解消など、住民へのアンケート調査を行なうなどして、要望をきめ細かく吸い上げることが必要です。また、築年数の古いマンションの場合、修繕積立金の不足が問題となるケースもしばしばあります。
資金手当の方法は
①修繕積立金の値上げ
②一時金の徴収
③借り入れ

の3通りですが、年金で暮らしているお年寄りは、修繕積立金の大幅な値上げや一時金の徴収に反対する人が多いのではないでしょうか。
現実的な方法としては、修繕積立金で不足する部分を、住宅金融支援機構等から借り入れをし、その返済に必要な資金を「修繕積立金の値上げ」という形で対応する例が多いと思います。


「住民の高齢化」の悩み

マンションの住民の高齢化対策を考える上で、必要なのが、高齢者の実態を知ることです。
高齢者の夫婦だけの世帯や、高齢者の一人暮らしが増えているので、緊急時の連絡先の把握も欠かせません。そのためには「居住者名簿」の整備が有効です。「孤独死」も無視できない問題となってきています。団地の中には、「あんしん登録カード」というカードに緊急連絡先だけでなく、かかりつけの医師も記入してもらい、緊急時には、自治会、社会福祉協議会、民生委員、警察、消防、福祉行政の関係先に提示するという活動をしているところもあります。


「役員のなり手がない」

多くのマンションは役員を「輪番制」で選出していますが、「2つの老い」の中で「役員のなり手不足」が大きな問題となっています。 輪番が回ってきても、高齢化などを理由に役員になることを辞退する組合員が増えたり、そもそも輪番に入らない、部屋を賃貸に出しているなどの不在所有者が増えているからです。
そこで、規約を改正して、役員になれる資格の幅を広げる管理組合もあります。役員の資格を「居住する組合員」と限るのではなく、「配偶者」や「一親等の同居する成人の親族」も役員になれるようにするというものです。中には、過去の理事長経験者等、管理組合活動に積極的な組合員を選出した「特別輪番表」と、その他の輪番可能な組合員の「一般の輪番表」の二つの輪番表を作り、二つの組み合わせで役員の候補を決めているというマンションもあります。
また、役員を辞退した組合員から「理事会運営負担金」という名目で金をとるというマンションもあります。ただ、お金さえ払えば、一切、役員から逃れられるというのでは、管理組合の中のモラルが下がるため、辞退する場合は、その理由が総会で承認される必要がある、ということにしているマンションもあるようです。しかし、輪番制の役員を受けなかったからといってペナルティまで課すのはやりすぎという声がないわけではないようです。住戸を賃貸に出しているなどの不在所有者から、役員になることがない代わりに管理組合への「協力金」をとるというケースもあります。
平成22年1月に、「協力金」は妥当という最高裁の判断が出ました。裁判になったケースが、一般管理費、修繕積立金合わせて1万7500円のマンションで、「協力金」が2500円とさほど高額でなかったことや、大半の不在所有者が支払いに同意していることなどが、判断の決め手となったようです。


 「マンション管理士」の活用

建物の老朽化や住民の高齢化で、管理組合の役員の負担が年々重くなってきている中、将来は、理事長を、マンション管理の専門家であるマンション管理士に頼みたいという声も出ています。
しかし、マンションの理事長は、金銭の面でも大きな権限をもっているため、外部の人間を理事長にするためには、これまで以上に厳しいチェック機能が必要になります。マンション管理士が理事長を引き受ける例がないわけではありませんし、国土交通省も従来の管理組合管理方式に加えて、マンション管理士や管理会社などによる管理者管理方式の導入を検討しています。しかし、現状では、更なる法律や制度の整備が必要です。
今のところ、マンション管理士の活用は、監事や理事までが適当という声が多いのも事実です。

 


「終の住処」を目指し

高齢化が進む中、マンションを「終の住処」と考える人が増えてきています。マンションの高齢化対策は、それぞれのマンションの規模、高齢化の実態などによって違ってくると思います。それぞれの管理組合が、それぞれにあった高齢化対策をとって行くことが大切です。

 
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