第36回「管理会社は今のままで大丈夫?」 ~清掃状況と管理経費のチェックポイント~

第36回「管理会社は今のままで大丈夫?」 ~清掃状況と管理経費のチェックポイント~

講師:一般社団法人杉並マンション管理士会 石栗 寛

マンション清掃状況のチェック

1.建物清掃の目的

(1)人の健康を守る
清掃をすることで、マンションの環境を衛生的にします。それが居住者の健康を守ることに繋がります。

(2)機器の正常な動作を確保する
照明などに汚れなどがついていると照明効果が落ちていることになります。しかし、清掃して汚れを取れば照明効果は正常になります。

(3)建物劣化を予防する
建物に使用されている素材をきれいにしておくことが、素材の劣化を防ぎます。清掃を行うことで素材の劣化を防いでいます。

(4)建物の資産価値を維持する
清掃で素材の劣化を防ぎ、建物自体をきれいな状態にしてあれば、建物自体の資産価値維持に貢献していることになります。

2.汚れの正体と汚れ具合

(1)一般的な汚れの原因は?
ホコリは空気中に浮遊しています。衣服から出る綿ボコリ、食べ物のカス、砂ボコリ、カビの胞子等が、水分や脂分などを含み床、壁、ガラスなどに付着します。それらのホコリが付着してだんだん汚れてくるのです。

(2)汚れはホコリのうちに処理
付着したホコリがだんだん厄介な汚れに発展していきます。
付着したホコリをほっておくと
見えないホコリの付着→色になった汚れ→汚れの塊→しみこんだ汚れ
このように汚れが発展していき、処理が難しくなってきます。
そして素材の劣化につながっていきます。

(3)汚さない、おそうじ方法がある
汚れは、見えない状態のうちに処理するのが一番。素材の表面に付着している見えないホコリを動かすことによってホコリの付着を防ぎ、きれいな状態を作り、汚さない状態を維持していくのです。これを、ダストコントロールと言います。

3.マンション清掃の種類

(1)日常清掃
基本的な清掃。掃き掃除、拭き掃除、ホコリを払う等。日頃から素材に付着している汚れやホコリを処理し、きれいな状態を保つことが目的です。

(2)定期清掃(標準管理委託契約書では特別清掃と表記)
ポリッシャー、高圧洗浄機等の機械を使っての清掃。
主に床面の洗浄(弾性床、硬質床、繊維床)。素材によっては剥離をしワックスを塗る。

(3)特別清掃(定期清掃で行う以外の業務)
主なマンションが行っている年1回の年末の大掃除。主に高所作業を行う。照明清掃、空調機フィルター清掃、ブラインド清掃、ルーフバルコニー等。 内容は管理会社及び清掃会社との協議の上決まります。

4.現場でのチェック(1)

(1)エントランス
建物の中で最も人の出入りが激しい場所と言える。
居住者はもちろん、郵便配達員や運送業者などたくさんの人が出入りする。

◆床の汚れ(ホコリ・土砂・染み等)
◆自転車や台車のタイヤ跡
◆ドアのガラス、溝、ドア枠
◆メールコーナーの不要チラシ
◆壁・天井・照明器具のクモの巣

マンション管理経費のチェック

講師:一般社団法人杉並マンション管理士会 会長 田村 晃清

2017年2月11日杉並区共催マンション管理セミナーの実施状況